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中性子科学について
Neutron Science Lab.
中性子科学研究施設の紹介
投稿者 : ohshima 投稿日時: 2017-12-13 11:02:21 (615 ヒット)

122,3日に福岡大学(福岡県福岡市)で開催された日本中性子科学会第17回年会において、中性子科学研究施設の益田准教授、吉澤教授、川名技術職員、杉浦技術職員、浅見技術職員、左右田元助教(現、理化学研究所)がグループの一員として第15回中性子科学会技術賞を受賞しました。この賞は、中性子科学の技術的発展への貢献が顕著である人、団体を称えるために設けられました。

受賞テーマは、「高分解能チョッパー分光器HRCの建設と中性子ブリルアン散乱法の実装」です。本グループは、J-PARCのパルス中性子源に高分解能チョッパー分光器HRCを設置し、物質のダイナミクスを高分解能かつmeVからeVにわたる広いエネルギー領域の探査を可能にするとともに、バックグラウンドの低減や試料環境・計算環境を整備した事により、世界標準の中性子非弾性散乱実験の機会をユーザーに提供しています。また、精密にコリメートされた中性子ビームと小角散乱検出器により低い運動量遷移領域における高いエネルギー遷移領域の測定を行う手法である「中性子ブリルアン散乱法」を実装し、単結晶の作製が難しい試料でも粉末試料を用いてガンマ点近傍(運動量遷移量がゼロの近傍)でのダイナミクス測定を可能にしました。

本グループは、HRCを世界トップクラスの中性子非弾性散乱装置として整備するとともに、中性子ブリルアン散乱法を実装し、研究成果によりその有用性を示したことが認められ、同賞の受賞に至りました。

J-PARCのパルス中性子源の性能を最大限に引き出すための継続的な高度化の成果であり、かつ中性子散乱の可能性を拡大するものであります。

    

 

 

左より伊藤KEK教授、川名技術職員、杉浦技術職員、益田准教授、左右田元助教

 


投稿者 : ohshima 投稿日時: 2017-04-13 13:58:48 (1176 ヒット)
 東京大学大学院工学系研究科の酒井崇匡准教授ら(バイオエンジニアリング専攻)と筑波大学医学医療系の岡本史樹講師ら(眼科学)の研究グループは分子量分布が極めて広くかつ多分岐の高分子クラスターを用いて、従来高分子ゲルを作成できない低濃度領域( < 1 wt%)において初めて高分子ゲルの作製に成功した。当該ゲルはゲル化臨界クラスターの広い分子量分布と多分岐構造に特徴をもつため、臨界クラスターゲルと呼ばれる。ハイドロゲルは90%程度の高い含水率を含む高分子材料で、生体組織との親和性が高いことから、生体内で使用する医療材料として嘱望されてきた。しかし、あらゆる生体材料と同じように、体内に埋め込まれたハイドロゲルは長期的には分解される運命にある。そして分解されて弱くなったハイドロゲルは周りの体液を吸い込み膨潤することが知られている。一般的なハイドロゲルは重量濃度が数wt%程度あるため膨潤圧は極めて高く、膨潤して体積が膨張したゲルは埋植した周辺組織へ重度なダメージを及ぼしてきた。今回新たに設計された臨界クラスターゲルは極めて低濃度領域で素早く作製することができ、分解された後も浸透圧が低い新たな種類のハイドロゲルである。このハイドロゲルは、細胞毒性が低いポリエチレングリコールの四分岐プレポリマーを基本ユニットとして、生体内で10分以内に作製される。このハイドロゲルは、ウサギの眼の中に注入してゲル化させると、強い毒性を示すことなく1年以上にわたって人工硝子体として機能し、網膜剥離治療に有効であることが確認された。このハイドロゲルはさまざまな医用用途の充填用生体材料として有望な候補となる。
東京大学物性研究所の柴山教授と李助教は臨界クラスターゲルの構造をオーストラリアのOPAL研究原子炉の小角中性子散乱装置QUOKKAを用いて調べ、臨界クラスターゲルはゲル化することにより内部に不均一構造が様々なサイズで連続的に存在することを発見した。臨界クラスターゲルが極めて低濃度でゲル化する要因はこの連続した不均一構造にあると考えられる。
本研究はNature Publishing GroupのNature Biomedical Engineeringに「Fast-forming hydrogel with ultralow polymeric content as an artificial vitreous body」として2017年3月9日にオンライン公開されました。

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